子供の睡眠時間が減っています
少し古い統計にはなりますが、文部科学省の「データから見る日本の教育」によると、小学生の睡眠時間は1970年に9時間23分でしたが、2000年には8時間43分となり、ここ30年間で40分も短くなったようです。
スマホを見ている時間が長くなったことや、コンビニエンスストアが一般的になったことパソコンの普及などなど、色んな要因が考えられますが、睡眠時間が減るということは子供にとってあまりよい傾向だとは言えません。
2008年に行われた日本人の睡眠時間が大人も子供も世界で有数の短さです。
小学校1年生から5年生までで考えると、アメリカの子供に比べて1時間も睡眠時間が短いというデータもあります。
睡眠不足による弊害
睡眠不足によって、様々な弊害が出ていますが、代表的なところで
- 成長ホルモンの分泌が足りなくなる
- 肥満になりやすくなる
- 学力、集中力が低下する
- 疲労が取れない、免疫が下がる
など重大な弊害が起こります。
寝ているときが身長が伸びる時間帯です
特に子供の成長には睡眠が深く関わっています。
子供の身長を伸ばすためにはいくつかの要素がありますが、特に「栄養」「睡眠」「ストレス」との関係は深いとされています。
成長のために必要な成長ホルモンという成分があります。成長ホルモンは名前の通り、子供の成長のために必要なホルモンなのです。
この成長ホルモンは体の中で作られます。しかし、一日中一定に体で作られているわけではありません。
成長ホルモンの成分は多く出ている時間と出ていない時間があるのです。
特に出ているのが「睡眠中」です。 1日の大半の成長ホルモンがこのときに出ています。その他には運動した後などが成長ホルモンの出るときです。
睡眠が不足すると絶対的に成長ホルモンお分泌される時間も減ってしまいます。
さらに、注意していただきたいのは、睡眠に入ってから2時間から3時間経過した位が成長ホルモンは一番出ている時間帯です。
おねしょをするお子様が心配でお子様が寝てから親御さんが、2-3時間後に起こしているという話を聞いたことがあります。
しかし身長を伸ばすことを考えると、睡眠しているときに子供を起こすのは成長ホルモンの分泌を阻害してしまうな弊害になってしまうのです。
睡眠を長くしたときにはこんな利点も
遅寝の弊害はたくさんあり成長に関係するものとして、遅寝は肥満につながることだと言われています。実は肥満であると成長ホルモンの分泌も減ってしまうのです。
かつては体の肉が背の高さに変わると言うように言われていた時代もあったのですが、最近では過度の栄養過多は成長の妨害になるといわれています。
成長ホルモンは背を伸ばす働きと無駄なお肉を燃焼する働きがあります。肥満であれば無駄なお肉を燃焼することに成長ホルモンの働きが使われてしまい、成長のために利用される量が減ってしまうことがあります。 栄養は背を伸ばすのに必要なのですが、過度の摂取は成長の妨げになってしまいます。
睡眠不足は情緒的な問題も
また睡眠不足や不規則な睡眠リズムはさまざまな弊害があり、特に情緒的な問題が多いといわれています。年齢が低いと攻撃性に現れ、年齢が高いと無表情になったり気分の落ち込みがあるという調査もあります。
また、記憶するメカニズムには睡眠はとても大切な働きがあり、情報を整理し定着させるためには必ず必要なのです。 実際に睡眠を長く取っている子供のほうが軒並み成績がよいという結果が出ているほどです。
成長のためだけではなく、睡眠時間はしっかりとるのは重要なことなのです。
学力、集中力が低下する
睡眠は体を休めるだけでなく、脳を休ませる役割もあります。脳は寝ているときにしか休むことはありません。
この休んでいる期間に、入力された情報を、必要な記憶、忘れるべき記憶を生理整頓してくれるのです。
学校で学んだことをちゃんと整頓し、また利用できる記憶に替えていくことも睡眠時に行われているのです。
脳は、成長ホルモンを分泌したり、免疫力を高めたりするための司令塔でもあります。しっかりと脳を休めてあげることにより、司令塔の働きを活発にしてあげることが必要です。
親の睡眠もよく考える
睡眠時間を長くするためには親の生活も考え直す必要があります。
親御さんの中によく「子供がなかなか寝ない」といわれる方がいらっしゃいますが、実は親御さん事態も夜更かしである場合が多くあります。
子供がなかなか寝ない・・・という親御さんは何時に寝ていますでしょうか?是非子供と一緒に9時や10時に寝て、朝早く起きてみると言うのはいかがでしょうか?
夜になりますとついついテレビをだらだらと見てしまったりしますね。まず、親御さんの夜更かしを朝型に変えて、家族の生活パターンを変える事からはじめてみてください。